訪問看護でも意識したい「損益分岐点」

ケアーズの中村です。

本日は、「訪問看護ステーション」の経営面で知っておきたい知識「損益分岐点」の基本的なポイントについてお伝えいたします。

もしかすると、「損益分岐点なんて、とても難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、訪問看護という仕事の仕組みを知る上で重要な「基本的に把握しておくべき数字」であるので、ぜひ、ご理解頂ければと思います。

本日ご案内するのは、下記2点です。

(1)損益分岐点って何?

(2)損益分岐点を知ることで、どのように役立つの?

(1)損益分岐点って何?

損益分岐点(売上高)とは、一般的に、利益(儲け)が0円(ない)となる時の売上のことです。

訪問看護に限定して説明すると、ご利用者様から頂く訪問看護利用料とスタッフに支払うお給料や事務所の経費などの費用の金額がちょうど等しくなる状態の売上を言います。

この状態よりも支出が増えれば赤字、収入が増えれば黒字となります。その分かれ目となる売上が損益分岐点です。

わかりやすく家計に置き換えると、一生懸命働いても全くお金が残らない、稼いだお金はすべて使って手元には全くお金がないというギリギリの状態が損益分岐点です。

家計でもやはり、これより支出が多ければ赤字となり、支出を抑えたり収入が増えれば黒字になります。

ギリギリの家計というのは、ご飯が食べられて、寝る場所もあるけれど、新しい洋服や車が買えなかったり、旅行も行けなかったり、ましてや貯金などできないといった状態だと思って下さい。

もう一度、これを訪問看護に置き換えると、スタッフの給与を増やすこともできませんし、サービスを充実させることも難しい状態と言えます。

つまり、訪問看護の経営は、家計と同じように損益分岐点ギリギリではなく、ゆとりを持った売上をつくる必要があるのです。

(2)損益分岐点を知ることで、どのように役立つの?

上でも説明をしているように、どこから赤字で、どこから黒字かを理解し、コストや売上について意識を持つことで、ご利用者様から求められているサービス内容を真剣に考えることとなります。

こうしたコストや売上など「管理会計」の意識を持って行動を行うことで、「ご利用者様から頼りにされ、なくてはならない存在になる」ということが実現でき、経営感覚も養われます。

訪問看護ステーションが提供するサービスの内容と料金は、一律で決まっています。

つまり、サービス内容やその料金による差別化は難しく、そういった意味でも様々な支出のやりくりが重要となります。

料金よりもサービスの質が重要となりますが、質を高めるために看護師さんを研修に参加させるにも、費用のやりくりに気を配る必要があります。

訪問看護では移動時間や移動距離も、訪問件数やガソリン代など、収入と支出に関係します。

こうした些細な面でも、コストや売上の意識を持って、効率良い訪問計画を考えることで、ステーションの収入が増え、より多くのお金が手元に残ることにつながり、手元に残ったお金を看護師さんの採用など新たな投資に使い、さらなる発展を目指すことができるのです。

さいごに

本日のまとめとしては、黒字と赤字の分かれ目「損益分岐点」をまず意識することで、何をやるためにはいくらのお金が必要なのか、何かをやることでいくらのお金が得られるのか、という意識を高めて、1つ1つの行動の効率を上げていきましょう。

こうした「管理会計」と「損益分岐点」の考えに基づく行動の積み重ねが、訪問看護ステーション経営の成功に結びつくのです。