訪問看護における重大事故やクレームを防止する方策「ハインリッヒの法則」を活かした取り組み方

ケアーズの中村です。

「天災は忘れた頃にやってくる」

この言葉は、災害はその恐ろしさを忘れた頃に発生するため、油断は禁物であるという戒めで、物理学者であり文学者でもある寺田寅彦の言葉とされています。

しかし、忘れた頃に発生し油断禁物なのは、天災よりもむしろ、人為的なミスのほうがより当てはまるのではないでしょうか?

いくら経験を積んできた方でも、慣れによる注意散漫などからトラブルや重大な事故を招いてしまうということは多々あります。

本日は、重大事故やクレームを防止する方策について、
「ハインリッヒの法則」を活かした取り組み方をご案内します。

「ハインリッヒの法則」とは

「ハインリッヒの法則」とは、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが提唱した労働災害についての経験則です。

1つの重大事故とはつまり「重傷」以上の怪我を負う事故を指し、29の軽微な事故とは「軽傷」を伴う事故、300の異常とは、事故には至らなかったもののヒヤリとした、ハッとした、危うく大惨事になりそうな怪我の伴わない災害を指します。

この「ヒヤリ・ハット」という表現は良く使用されているので、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?

実は「ヒヤリ・ハット」の手前にも「不安全行動」と「不安全状態」と言われるものが何千個もあると言われます。

重大な事故は、それを頂点として様々な小さな事故やその要因といった土台の上に成り立つ、ちょうどピラミッドのような構図となっています。

ハインリッヒは、この法則のまとめとして、次の2つのことを挙げています。

●事故(アクシデント)を防げば災害はなくせる。

●「不安全行動」と「不安全状態」をなくせば事故も災害もなくせる。

訪問看護にも「ハインリッヒの法則」は、活用できます

訪問看護においても、この「ハインリッヒの法則」を活用することで、重大事故やトラブル、クレームを防止することが可能です。

トラブルの再発防止策としては、トラブルの原因究明や犯人探しに注力することが様々な場面で良く見られます。

しかし、こうした対応は責任の追及には有効であっても、トラブル防止に大きな効果をもたらすわけではありません。

それよりも「不安全行動」や「不安全状態」、そして「ヒヤリ・ハット」を減らしていくことで、重大な事故にたどり着くピラミッドを崩し、重大な事故を防ぐことができます。

訪問看護における「ヒヤリ・ハット」を減らすには

では、「ヒヤリ・ハット」や「不安全行動」「不安全状態」を減らすにはどのようにすればよいのでしょうか?

身近な日常業務の中では、「はじめて」「ひさしぶり」「変更」という場面に遭遇した時が、事故やクレームに至る可能性が高い状況で、特に注意が必要と言われています。

つまり、不慣れな環境の場合には、注意を行う必要があるということです。

訪問看護ステーションのスタッフの行動管理は、所長や管理者が常に気にかけていることの1つだと思います。

しかし、帳票や書類作成を伴うものは、業務フローを記載したマニュアルを作成するなどし、誰もが、いつでもチェックできる体制作りを行うなど事務面の整備を強化して、念には念を入れたいものです。

さいごに

訪問看護は、人の生命に係る仕事であるため、万一の重大事故を未然に防ぐための取り組みは、他の事業よりも重要です。

またケアマネや地域の方との信頼は、ちょっとしたトラブルで大きく損なわれる家の言う性もあるため、経営者が日ごろからスタッフへの意識づけを行うことも重要となります。

ご利用者様やスタッフが増えていく過程で、見落としなどが起らぬよう、早め早めの取り組みをお心掛け下さい。